KENZO 2024年秋冬コレクション
ジョージ・ルーカスが黒澤明の影響から『スター・ウォーズ』の世界観を創出した手法に着想を得て、日本の伝統に根ざしたディテールとシルエットにSFの世界観を取り入れたアイテムを展開
アーティスティック・ディレクター Nigo(ニゴー)の手掛ける〈KENZO(ケンゾー)〉が、2024年秋冬ウィメンズ & メンズコレクション “KENZO MAGIC GALAXY (ケンゾー・マジック・ギャラクシー)”をパリ・ファッショウィークにて発表した。
フランスで最も古い文化機関のひとつとして知られる『フランス国立図書館(BnF)』を舞台に行われたコレクションでは、ジョージ・ルーカス(George Lucas)が黒澤明のサムライ映画からインスパイアされ『スター・ウォーズ』の世界観を創り上げた手法に導かれ、西洋から東洋へと紡がれた普遍的なワードローブを展開。サムライのケープのラインが宿る着物のコート、江戸時代の火消し半纏(ひけしばんてん)のプリントに着想を得た織りのジャカードやデニム、古代未来のグラフィックを呼び起こすプリーツのドレス、SFのヒロインのクロークのようにドレープされたピースなど、日本の伝統に根ざしたディテールとシルエットにSF世界のコスチュームのスパイスを注入。また、15世紀の着物にある江戸小紋からインスパイアされたミニチュアのドット柄は、プリントや刺繍で星座として再現された。さらに、アウター類もフライトジャケット、カーゴスーツ、シーリングジャケットといったミリタリーアイテムをSFの世界観を加えて制作した。
メンズのシルエットは学ランをイメージしたスクールボーイスーツを中心に、ボリューミーなダッフルコートやカーコート、バレルレッグのパンツといった形でも表現。一方のウィメンズはオーバーサイズ/身体にフィットしたシルエットのスーツ、ボディコンシャスな形状のアイテム、サンバーストプリーツのドレス/スカート/トップスなどが登場。柔道着の帯のようなタイベルトでウエストを締めつけることで、シルエットに変化をつけたスタイリングにも注目したい。
バッグ類は日本の風呂敷の包み結びの技法を柔らかなカーフレザーやテクスチャードスエードで表現したKENZO Furoshiki バッグ、高田賢三が提案したリボンパッチワークにインスパイアされたKENZO Sakuraのほか、光沢のあるテックナイロンにレザーのトリムを施し、ジャケットバッグ/ワンストラップバックパック/通常のバックパックに変身するKENZO Discoverといった豊富なバリエーションが揃う。フットウェアは1990年代のスケート・コードに基づいてデザインされた新型のジェンダーレス・スニーカーをはじめ、モトクロスにインスパイアされた未来的なバイカーブーツ KENZO Biker、スポット柄のポニースキンで仕立てられた冬のアンクルブーツ KENZO Yuki、スニーカーソールを備えたミニマルで軽量なブーツ KENZO Ukio、1970年代のSF感覚を取り入れたKENZO Reiaなどがラインアップする。
今回のショーの音楽は、前回に引き続きCornelius(コーネリアス)が担当。昨年逝去した坂本龍一と高橋幸宏を擁したバンド YMO(Yellow Magic Orchestra、イエロー・マジック・オーケストラ)へのオマージュとして、オリジナルサウンドトラックを制作した。
ブランド:KENZO
シーズン:2024年春夏
日付:1月19日(現地時間)

















