Nike が女性初の1マイル4分切りを目指すプロジェクト Breaking4 を発表
ブランドアスリートであり1,500mで世界記録を保持するケニアの陸上競技選手のフェイス・キピエゴンとともに実施
〈Nike(ナイキ)〉が女性初の1マイル4分切りを目指すプロジェクト Breaking4(ブレイキング4)を、ブランドアスリートであり、1,500mで世界記録を保持するケニアの陸上競技選手のフェイス・キピエゴン(Faith Kipyegon)とともに実施することを発表した。
1マイル走は、北米では常にアスリートの運動能力を測る普遍的な指標となることで知られており、陸上競技や若者の体力テスト、さまざまなスポーツのトレーニングに用いられてきた。男性アスリートでは、1954年にロジャー・バニスター(Roger Bannister)が初めて1マイル4分切りの記録を打ち立てているが、女性アスリートは未だ1マイル4分を切る者はいない。現在フェイスは、2023年にモナコで樹立した4分7秒64の世界記録を保持しており、自身の記録から7.65秒の短縮を目指すべく、Breaking4に挑戦する。
今回、これまでで最も多くの栄光を手にした女子中距離ランナーとしてのレガシーをさらに強固なものにするため本プロジェクトに挑むというフェイスは、次のように語っている。「私はオリンピックで3度優勝し、世界選手権のタイトルも獲得しました。そこで、他に何ができるだろう? 並外れた夢を見るのも良いのでは? と考えたのです。“自分を信じて、チームも私を信じてくれるなら、きっとできる”と自分に語りかけました」。
また、〈Nike〉のグローバル ウィメンズ ランニング VPであるシーマ・シモンズは、フェイスを指名した理由について、「フェイスは、エリートアスリートであるだけでなく、母親でもあり、コミュニティのリーダーとして尊敬されているなど複数の側面を持っており、さまざまな人にインスピレーションを与えています。今回のBreaking4の挑戦は、フェイスが世界記録を作り、メダルも獲得し、次のチャレンジとしてNikeに話があったことを受け、その夢に応える形で実現しました」と説明している。
過去には、ジョン・ベノイト・サミュエルソン(Joan Benoit Samuelson)の初めてのオリンピック女子マラソンでの優勝や、エリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)のマラソン2時間切りに向けたプロジェクト Breaking2など、夢に見ることさえ大胆だといわれる挑戦をアスリートともに実現してきた〈Nike〉。本プロジェクトは、それらに続く、世界中に勇気や希望を与える“ムーンショット(大きな夢)”プロジェクトとなるという。そのため、同ブランドは、フェイスに適切で強固なサポートを提供。彼女もまた、16年間パートナーとして協力してきた〈Nike〉が持つ知見やイノベーションの全てを活用する予定だ。
〈Nike〉のチーフイノベーション オフィサーのジョン・ホークは「Nikeの先端のイノベーションは、フェイス・キピエゴンのようなアスリートが夢を挑戦へ、そして挑戦を運命へと変えることを助けたいという、強い意志に突き動かされています。この大きな限界を突破する勇敢な試みは、可能性を生かす技術と期待を実現する科学の両方に支えられています。アスリートとともに、私たちは問題に包括的、体系的、そしてパラメトリックなアプローチで取り組みます。大きすぎる問題も、小さすぎるディテールもありません。私たちはアート、サイエンスとアスリートの融合によって、これまでもアスリートにさらに大きな希望をもたらし、大きなインパクトを生み出してきました。私たちは常に畏敬の念を持ちながらアスリートが偉業を成し遂げるためのサポートに取り組みます」と述べている。
Breaking4は、6月26日(現地時間)に、フェイスが過去に1500m・5000mの記録を出したパリの『スタッド・シャルレティ』にて行われる予定。この時間と場所は、彼女のトレーニングスケジュールを考慮し、パフォーマンスを最大限発揮できるように設定されている。なお、当日は、フィニッシュラインにて娘も一緒に彼女を迎えるとのこと。
最後に、〈Nike〉スポーツ研究所 VPのエイミー・ジョーンズ・ヴァテラルスは、Breaking4の実現可能性について「すべての人が関わってこの挑戦に取り組み、酸素状態・無酸素状態でのデータ分析、シューズやアパレルの試作とフィードバックの繰り返しなど、全方位からのサポートが行われます。この挑戦が成功するためには、場所、天候、空力、身体の動き、ウェアやフットウェアの効率、人間の感情や自信までも含めあらゆる要素が重なり合う必要があります。10年〜30年かかると言われてきた挑戦を、イノベーションの力で短縮できると考えています。フェイスは大変素晴らしいアスリートで、母親としてアスリートとして限界に挑戦するフェイスを多くの方に見てもらうことができれば、それだけでも成功だと思います」と見解を表した。

















