2026年秋冬メンズ・ファッションウィークで最高にアガッた瞬間8選
ハドソン・ウィリアムズの鮮烈なランウェイデビューから〈Willy Chavarria〉の圧巻パフォーマンスまで
ついに幕を開けた、2026年秋冬のファッションウィークシーズン。まずはメンズのショーがミラノとパリで開幕し、その後に続くのがパリ・オートクチュール・ウィークだ。すでに会期序盤から、〈Ralph Lauren(ポロ ラルフ ローレン)〉や〈DSQUARED2(ディースクエアード)〉がミラノで存在感を放ち、その後には〈Feng Chen Wang(フェン・チェン・ワン)〉、〈Rick Owens(リック・オウエンス)〉、そしてパリ発の新星である〈Willy Chavarria(ウィリー チャバリア)〉らがパリのランウェイを席巻している。
また、昨日25日(現地時間)には〈Jacquemus(ジャックムス)〉がクロージングショーを実施。つい先日ブランド初となる(そしておそらくは史上最高とも言える)ブランドアンバサダーとして創業者であるサイモン・ポルト・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)の祖母のリリーヌ・ジャックムス(Liline Jacquemus)就任を発表したばかりのタイミングで、アンバサダー本人が登場し、早くも話題となっている。
メンズのショーが佳境を迎える中で、今月ここまでで特に印象的だったランウェイを総ざらいしたい。豪華なセレブ来場から意外性のあるカメオ出演、そして珠玉のコラボレーションまで、そのハイライトをピックアップしてお届け。
本稿では、『Hypebae』お気に入りの瞬間を一挙に振り返りつつ、次に控えるコペンハーゲン・ファッションウィークにも期待を高めていきたい。
Ralph Laurenが待望のランウェイ復帰
今シーズン、〈Ralph Lauren〉が約10年ぶりとなるメンズ単独ショーで華々しくランウェイにカムバック。イタリア・ミラノにある『パラッツォ ラルフ ローレン』へとゲストを招き、1990年代のスポーティなムードを全開にした2026年秋冬コレクションを披露した。特に〈Polo Sport(ポロ スポーツ)〉のラガーシャツにロゴ入りフリース、ルーズフィットのデニムといったアイテムは象徴的で、ラストは同年代に活躍したモデル タイソン・ベックフォード(Tyson Beckford)が登場。当時の蜜月なタッグへオマージュを捧げる感動的なフィナーレとなった。
Heated Rivalryのハドソンを起用したDSQUARED2
先週、世界のどこにいても、きっと『Heated Rivalry』というワードを何度も耳にしたはず。〈DSQUARED2〉の2026年秋冬コレクションのショーもその例外ではなく、雪景色をイメージしたランウェイには、このストーリーの共同主役とも言えるハドソン・ウィリアムズ(Hudson Williams)が登場した。ダメージデニムにボンバージャケット、ぴったりとしたスキニージーンズがコレクションを形作り、彼らならではのアプローチで“スキーシック”をリバイバルさせてみせた。
ファレルが仕掛けるLouis Vuitton “Mixtape”
ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)率いる〈Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)〉のショーは、毎回メンズファッションウイークの話題をさらうが、今シーズンはスペシャルなコラボレーションや初披露のプロダクト、そして豪華ゲスト陣によって、さらにスケールアップした。デザインファーム『NOT A HOTEL』とタッグを組んだガラス張りのセットは、印象的な家具やコレクタブルが並ぶインスタレーションさながらで、その時点ですでに圧巻だった。さらにサウンドトラックにはエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)、ジョン・レジェンド(John Legend)、クエヴォ(Quavo)らによる未発表曲が多数投入されるなど、音楽面でも“ミックステープ”さながらの内容に。
ジョナサン・アンダーソンが見出すDiorのミューズたち
今季の〈Dior(ディオール)〉でジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)のミューズとなったのは、音楽アーティスト Mk.gee。コレクション全体は、パリの街を闊歩する“aristo-youth(貴族的な若者たち)”のグループを再構築するように展開された。さらにレジェンドクチュリエ ポール・ポワレ(Paul Poiret)からのインスピレーションも加わり、ジョナサンは「自分にとって今回は、もうひとつのキャラクター・スタディのようなもの。パーソナルスタイルについてであると同時に、貴族=お金という側面を一度脇に置いて、そのうえで“エキセントリックさ”とは何かを問う試みなんだ」と語っている。
Feng Chen Wangが向き合う“二つの力”
〈Feng Chen Wang〉の2026年秋冬コレクションが着目したのは、中国の哲学概念である“Liang Yi(両儀)”、すなわち“Two Forces(ふたつの力)”。相反するエネルギー同士がどう作用し合うかを掘り下げた本作は、原理と反応を衣服で追求するスタディのようでもある。デザイナーはこのコンセプトについて「今季のディテールも、まさにふたつの力のようなもの。ひとつは、とてもエレガントで、テーラリングが効き、細部まで作り込んだハイクオリティな側面。もう一方には、たとえばデニムのウォッシュのように、潰され、壊されたように見えながらも、全体としてはひとつに結びついている要素がある。“完璧な不完全さ”がどうやって共存するかを表現したかった」と説明する。
Rick Owensが描く“Temple of Love”
同じく〈Rick Owens〉も今シーズン、相反するものの共存というテーマに踏み込んだ。2026年秋冬コレクションのタイトルは“Temple of Love, Tower of Light”。“modern authority(現代の権威)”というコンセプトから着想を得て、パワーのあり方をパロディ的に描き出すコレクションとなっている。ミリタリーディテールや権威の象徴をあえて強調することで、それらと自分たちとの関係性を問い直す試み。
NAHMIASが見せたカムバック劇
話題を集めた『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ(原題:Marty Supreme)』のヒットを追い風に、〈NAHMIAS(ナミアス)〉はソールドアウトとなったカプセルに続き、3年ぶりとなるショーで勢いのあるカムバックを果たした。サーフィンやスケートカルチャーへの愛情をあらためて掘り下げた2026年秋冬コレクションは、これまでの世界観を更新するような内容で、リアルな経験値と年輪を感じさせるコレクションに。さらに今季は〈PUMA(プーマ)〉との強力なコラボレーションも初お披露目され、PUMA SuedeやSpeedcatの新たなバリエーションが登場した。
Willy Chavarriaが描く“Eterno”
〈Willy Chavarria〉がパリ・ファッションウィークの正式スケジュールに名を連ねて以来、そのショーは“見逃せない体験型ランウェイ”として定着している。今季の“Eterno”コレクションでは、フェイド(Feid)、ルナイ(Lunay)、ラテン・マフィア(Latin Mafia)といった多彩なラテンアーティストたちがパリに集結。どこかテレノベラ(連続ドラマ)を思わせる世界観へと再解釈しつつ、〈adidas Originals(アディダス オリジナルス)〉との継続コラボレーションやロメオ・ベッカム
(Romeo Beckham)のランウェイウォーク、さらにはジュリア・フォックス(Julia Fox)のサプライズ登場など、ドラマティックな仕掛けを次々と繰り出した。















