ニューヨーク・ファッションウィーク 2026年秋冬で行われたランウェイショーのハイライトをチェック
〈COACH〉から〈Collina Strada〉まで今季のベストショーを一挙お届け
今回、2026年秋冬シーズンとなるニューヨーク・ファッションウィークは例年より少し早く開幕し、まずはスケジュール外で行われた〈Marc Jacobs(マーク ジェイコブス)〉や〈Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)〉といったブランドのショーからスタートした。初日が終盤に差しかかる頃には、〈Proenza Schouler(プロエンザ・スクーラー)〉〈Collina Strada(コリーナ・ストラーダ)〉〈Jane Wade(ジェーン ・ウェイド)〉、そしてもちろん〈COACH(コーチ)〉のショーが続き、今もっとも注目を集める“itガール”たちが一堂に会した。
このほか、〈Sandy Liang(サンディ・リアン)〉〈Christian Cowan(クリスチャン・コーワン)〉〈Gabe Gordon(ゲイブ・ゴードン)〉といった人気ブランドや、さらに〈Kim Shui(キム・シュイ)〉〈Cult Gaia(カルト・ガイア)〉〈Private Policy(プライベート・ポリシー)〉のショーも実施。
ここからは、ニューヨーク・ファッションウィークのハイライトをピックアップして紹介する。まもなく開幕するロンドン・ファッション・ウィークの動きにも引き続き注目したい。
Marc Jacobs
〈Marc Jacobs〉は、オフィシャルスケジュール外のショーという形で2026年秋冬コレクションを発表し、ブランドの新章を印象づけた。お馴染みのドール風メイクや誇張されたアクセサリーからは距離を置き、今季はぐっと抑えたムードへとシフト。”Memory. Loss”と題したコレクションでは、記憶が私たちやブランドをどう形作るのかをテーマに、これまでの着想源を振り返りながら、現在の〈Marc Jacobs〉を形づくる要素を見つめ直している。新たな方向性は高く評価され、クラシックなシルエットを土台にしつつ、あえてぶつけ合ったカラーリングや誇張されたヘムライン、レトロなスタイリングで遊び心を効かせた。
COACH
〈COACH〉はニューヨークのダウンタウンで2026年秋冬コレクションのランウェイショーを開催し、ブランドを象徴する定番アイテムをややエッジの効いたムードで再提案した。フロントロウにはオデッサ・アザイオン(Odessa A’zion)、クエン・ブラックウェル(Quen Blackwell)、ストーム・リード(Storm Reid)、エル・ファニング(Elle Fanning)らが顔をそろえ、ブランドの“ミューズ”の系譜が過去から現在まで一堂に集結したかたちとなった。スケートカルチャーや1970年代から着想を得たとみられるカジュアルなルックが並び、レイヤリングやラフなスタイリング、サブカルチャー的なムードの取り込み方を示す好例となっている。
Collina Strada
〈Collina Strada〉のゲストリストは毎シーズン豪華で知られているが、今季もその期待を裏切らなかった。JTやトーヴ・ロー(Tove Lo)、Icona Pop(アイコナ・ポップ)、BBトリックス(BB Trickz)といったビッグネームに加え、トミー・ドーフマン(Tommy Dorfman)、エラ・エムホフ(Ella Emhoff)、デリラ・ベル(Delilah Belle)らが来場。コレクションでは、ヴィクトリア時代を思わせるレースのカラー、誇張されたショルダーやバブルヘムといったディテールに、あえてラフに崩したヘア、グランジ感のあるチェック柄、多用されたギャザーを組み合わせている。
Jane Wade
〈Jane Wade〉の2026年秋冬コレクションは、故郷・オレゴンへのオマージュであり、彼女がここに辿り着くまでの道のりを探求するものに。大自然からインスピレーションを得た本コレクションは、パラコードやバンジーコード、本格的なテントなど、探検のモチーフを根底に据えている。〈SOREL(ソレル)〉との新たなコラボレーションも発表され、ショールックはカーフヘアのブーツと鮮やかなカラーのスニーカーを採用。ショー全体を通して、新鮮な息吹を吹き込み、ゴープマックスを全く新しいレベルへと引き上げた。
Sandy Liang
今シーズンの〈Sandy Liang〉は、マリー・アントワネット(Marie Antoinette)にインスピレーションを得て、ゲストを宮殿の庭園、納屋、寝室へと誘う。2026年秋冬コレクションでは、アントワネットのスリッパや祖母のエプロンといったディテールに着目し、「スタジオジブリ」の映画『魔女の宅急便』から着想。ファンタジーと現実の二面性と関係性を探求することで、今シーズンはブランドの世界観をさらに深めた。
AWGE
エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)は今シーズン〈AWGE〉のランウェイに復帰し、マンハッタンでブランドの3つ目のコレクションを発表。〈PUMA(プーマ)〉との新たなパートナーシップをお披露目したこのコレクションは、ロッキー自身の個人的な進化を表現しており、父親になったという経験を反映し、デザイン全体に“父親”としての影響が色濃く反映されている。
Cult Gaia
〈Cult Gaia〉の2026年秋冬コレクションのショーケースは、デザイナーの祖母がMarzieh(マルズィエ)の歌を歌う音源で幕を開けた。コレクションの雰囲気を既に盛り上げていた力強い音楽は、記憶、祝祭、そして忍耐といったテーマを表現。ペルシア語で“雌ライオン”を意味する“Shirzan”と題されたコレクションは、伝統的な技法を探求し、手編みのラフィア、精巧なビーズ細工、そして石の装飾を巧みに用いた。ピート・デイビッドソン(Peter Davidson)、ベッキー・G(Becky G)、ルーカス・ゲージ(Lukas Gage)といった著名人が出席したこのコレクションは、まさに伝統へのオマージュといえるだろう。
Private Policy
春節のお祝いの直前に開催された、ハオラン・リー(Haoran Lee)による〈Private Policy〉2026年秋冬コレクションは、大陸横断鉄道建設に尽力したアジア系アメリカ人に光を当てることを目指した。アジアのデザインとその心に深く刻まれた影響に敬意を表しており、伝統的な作業服と特徴的な赤を基調に、コミュニティの力強さとパワーを改めて思い起こさせるものとなった。また、入場時には、中華料理への遊び心あふれるオマージュとして、持ち帰り用の麺類容器とブランドロゴ入りの箸が配られた。
Kim Shui
リア・カテブ(Leah Kateb)、アジー・ミラン(Azzy Milan)、ジョーイ・バダス(Joey Bada$$)、アマヤ “パパヤ”(Amaya “Papaya”)といった錚々たる面々が出席した本コレクションは、ゲストたちをイーストリバー沿いの旅へと誘った。それぞれのアイテムは、鮮やかなプリントと伝統的な中国の技法を贅沢に融合。遊び心のあるひねりを加えた伝統的な中国の衣装を新たに解釈し、ゴールドとシルバーのアクセント、大胆なカットアウト、タッセルのような装飾、そしてセットアイテムを組み合わせた。


















