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ルーツと伝統を背負いながらグローバルに羽ばたく Tyla & Awich の対話 | Interviews

「Tylaの音楽を聴いていると、自分のカルチャーやコミュニティのことをうまく解釈しながら音楽に落とし込んでいるな、と感じるんです」(Awich)

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ルーツと伝統を背負いながらグローバルに羽ばたく Tyla & Awich の対話 | Interviews

「Tylaの音楽を聴いていると、自分のカルチャーやコミュニティのことをうまく解釈しながら音楽に落とし込んでいるな、と感じるんです」(Awich)

南アフリカ出身であり弱冠22歳のTyla(タイラ)は、世界中が注目する新星ポップ・アイコンだ。2023年にリリースした“Water”が世界中で大ヒットとなり、これまでに約10億回に迫る再生回数を記録している。アフロビーツのエッセンスにR&Bやポップスの雰囲気を融合させながら、急速なスピードで“Tylaらしさ”を確立していった彼女は、2024年に入ってからグラミー賞の受賞や“砂のドレス”で「Met Gala 2024」への出席などを果たし、イット・ガールとして多くの者の耳と目を奪う存在になった。

そしてこの度、「SUMMER SONIC 2024(サマーソニック 2024)」の出演に際して初めて来日したTylaと、彼女と同じく出身地である“沖縄”を自身の音源やスタイルに落とし込むAwichの対談が『Hypebeast』にて実現。ルーツとなるトラディションを大切にしながら、独自のアートを追求する2人の音楽へのマインドや向き合い方などを語ってもらった。初対面でありながら共通点を見出すシーンもあった両者の対話に、ぜひ耳を傾けてほしい。

Hypebeast:(Tylaさんは)初めての来日だと伺いました。東京の雰囲気はどうですか?

Tyla(以下、T):最高! まさか自分がここに来られるなんて思っていませんでした。以前から“いつか東京に行きたい”と願っていたから、今でも信じられないです。とっても美しい場所だし。

Awich(以下、A):Tylaの音楽を聴いていると、自分のカルチャーやコミュニティのことをうまく解釈しながら音楽に落とし込んでいるな、と感じるんです。だから私たちも楽しめるし、世界中で愛される曲を作り出すことができる。伝統を大切にしながら、それをグローバルなレベルに昇華することができているのが本当にすごいなって。Jumpで歌っている“Theynever had a pretty girl from Joburg(今までヨハネスブルク出身の可愛い子に出会ったことがなかったでしょ?)”というリリックが大好き。あなたがしっかり自分の出自をレプリゼントしてくれて、ビューティー・スタンダードを塗り替えてくれたような気がするんです。

T:もともと、“アフリカ出身”というとクールに思われなかったの。

A:アメリカ以外はクールじゃない、みたいな。

T:アフリカから来た、ということでいじめられたこともあったし。だから、こうしてリリックにして、“南アフリカから来たけど、クールでしょ?”って示したかったんです。南アフリカだけじゃなくて、どこの出身でも、どんなカルチャーから来ても、それって全部クールだよ、って強調したかった。

A:毎日すごく忙しいと思うし、色んな人が周りに集まってくることも多いと思うんです。そんな中で、どうやって自分らしさを保っているの? 決めているルールなどがある?

T:どんなときも、自分の家族のことや、自分がどこから来たか、ということを忘れないようにしています。私がどんなモラルと価値観で育ったのか、とか。曲がヒットして、表面上の変化はあるけど、自分の内側はあくまで昔と変わらない“Tyla”のまま。あと、高校生の頃からずっと一緒にいる友人がいて、彼女は海外に行く時も一緒だし、私のスタイリストやクリエイティブ・ディレクターとしても働いてくれているの。自分のチームもそうだし、こうした友人がずっとそばにいてくれることもとっても大事。

そもそも、歌手を志したきっかけは?

T:まるで神様からのお告げみたいに“自分は歌手になるんだ”と思い続けていました。具体的に何歳の頃かは覚えていないけど、小さい頃から両親に「私はシンガーになる!」と言っていたくらい。成長していくにつれて、リアーナやマイケル・ジャクソン、ビヨンセといった素晴らしいアーティストのファンになっていって、彼らが世界に与えたインパクトや、どう音楽シーンを変えていったのか、ということも知るようになった。そうしていくうちに“同じことをアフリカでやりたい”と思うようになったんです。なぜなら、そんなチャンスを手にしたアフリカのアーティストはいなかったから。

ご両親は最初から音楽活動に協力的だった?

T:そうでもなくて、もともと過保護気味というか、お泊まりも禁止だったし、アレもコレもやっちゃダメ、というタイプの親で。音楽の道を進みたいと言った時も、親は不安がっていましたね。私は高校を飛び級で卒業して、一年間のギャップ・イヤーがあったから、その間に自分で曲を作ったりMVを撮ったりしていくにつれて、国内で注目を集め始めたんです。そうしたら、その翌年にはいろんなレーベルから連絡が来るようになって、エピック・レコーズと契約することになった。そうしたら、両親は「やればできるって、証明してくれたんだね」って言ってくれて。両親もそうだし、こうして成功できるということをアフリカのみんなにも示すことができてとても嬉しいです。

ちなみに、南アフリカに根付くサウンドや音楽との関わりはどのような感じなのでしょうか。

T:音楽が私たちのカルチャーそのもの、という感じです。音楽とダンスが、私たちの血として流れている。だから私たちにとってはとても大切なものですし、スピリチュアルでもある。パーティーも欠かせないし、とにかくみんな踊っているの。アフリカに来たら、そのパワーを感じることができると思う!

その関係性は、Awichさんのルーツでもある沖縄とも共通点があるのでは?

A:とっても似ていますね。沖縄の伝統音楽では、ダンスと歌にとても強い結びつきがあって。沖縄は小さな島で、もともとは王国だった。その後に日本の一部になったという背景があるから、独特のカルチャーがあるんです。沖縄には“エイサー”と呼ばれる太鼓を叩きながら踊る文化があって、私たちは太鼓の音を聴くと血が騒いでしまう(笑)。それと“カチャーシー”と呼ばれる踊りもあって、太鼓とストリングス(三線)にあわせて踊るの。私も、Tylaみたいに自分の血として流れているものを今の音楽に翻訳して世界に広げたいという思いでやっているんです。だから、Tylaが体現していることは私にとってもとても励みになる。

2024年のグラミー賞では、新設された<ベスト・アフリカン・ミュージック・パフォーマンス部門>で史上初、そしてグラミー賞においては最年少のアフリカ出身のアーティストしてトロフィーを獲得しました。受賞の様子をどのように振り返っていらっしゃいますか?

T:本当にドキドキしていて、授賞式で待ちながら……。

A:自分の名前が呼ばれることは前もって分かっていたの?

T:ううん! 何も知らされずに待っていて、自分の名前が発表された時には意識が飛びそうになりました(笑)。すぐに“どうしよう!”と思いながらステージに飛び上がって、みんなの顔を見ながら“何を言えばいいんだろう?”って。同時に“私には早すぎるんじゃないか?”とも思ったんです。何年も活動しているアーティストもいるんだし……。でも、実際に受賞してから数カ月と過ぎていくうちに、Waterは音楽的にも文化的にも成功しているわけだし、私には受賞する価値がある、と思うようになっていきました。

A:私も今年のグラミー賞に出席していて、Tylaの喜びが伝わってくるようでした。それに“自分もあそこに立ちたい!”ってすごく感銘を受けたし。

今度は、制作のプロセスについて教えてください。普段、どのように曲を書いていますか?

T:なぜだか分からないけど、夜の暗い時間帯の方が捗ります。集中して、朝が来るまで続けちゃう感じ。プロセスは楽曲によって違って、ひとりでいるときはビートを聴いてからメロディを作る。その後に、どんな雰囲気の歌詞にするべきか、自分の経験や知り合いの話を辿りながら曲を形作っていくんです。アルバム TYLAの時は、もっとチームを意識した制作スタイルでした。制作チームとアイデアをシェアしながら、どうやって自分のカルチャーを音楽に落とし込めるのか、チームとやり取りしながら制作を進めていったんです。結果的に、自分が納得のいくサウンドを体現することができて、とっても誇りに思っています。

A:具体的に、自分が育ってきたカルチャーと音楽を融合させるためにどんなことをしているの? 実際にミュージシャンに楽器を弾いてもらうとか?

T:そういう場合もあるけど、普段使っているスラングがきっかけになることもあるし、あとはログ・ドラム(木鼓)かな。あの音色はとっても南アフリカっぽいから。Waterのビートも、ログ・ドラムがキーになっているの。普通のポップ・サウンドも、ログ・ドラムの音が入ると地元のサウンドだな、と感じます。

A:私も、うまくふたつのエッセンスを融合させることに試行錯誤している段階で。私の場合は、伝統的な沖縄民謡の歌唱と現代のヒップホップ・ビートをミックスさせて実験することもある。

T:私の場合はドラムのサウンドに現代っぽいボーカルを乗せるんだけど、その反対なんですね。面白い!

A:沖縄の音楽には現代のダンスミュージックに近いトラディショナルなドラム・パターンがないかもしれないんです。だから、ストリングスやメロディーで、沖縄の伝統的な感じを表すことができれば、と。

Awichさんは自分の気持ちを整理するために日記をつけている、と兼ねてからおっしゃっていました。今もその習慣は続いていますか?

A:私は、自分を愛するためには自分を理解する必要があると思っていて、そのために日記を付けているんです。(Tylaは)普段、習慣にしていることはある?

T:私はキャンドルに火を灯して、お風呂に浸かって静かなピアノの曲を聴くのが大好き。Private School PianoというYouTubeのチャンネルがあって、それをよく聴いています。あと、今年の初めにタイに行った時にサウンド・ボウル(専用のスティックで叩いたり、こすったりすることで心地よい音色を奏でるボウルのこと。この音にはリラックス効果があるといわれている)を買ったの。使い始めてみたらとっても落ち着くし、今では欠かせないお気に入りのアイテムになりました。それと、たまに携帯で自分に話しかける動画を撮ってる。

A:私も同じことをやってる! その動画を見返すこともある? Vlogみたいに。

T:たまに。それよりは、何年も寝かせておくのが好き。しばらくして見返したら“私、こんなことも経験してきたんだ”って感じることができる。動画は、いつかみんなとシェアできたらいいなって思っています。

普段、プレッシャーや葛藤を覚えることもありますか? 特にWaterがヒットしたあとなど。

T:一気にたくさんのプレッシャーが襲ってきましたね。一斉にみんなの注目を浴びる準備もできていなかったし、“どうしたらいいんだろう”と悩むこともありました。でも、徐々に“自分のペースでやっていけばいいんだ”と思えるようになったし、周りに“こうしろ”と言われても、自分のペースを崩したり、周りの声を気にしたりする必要はないんだ、と理解できるようになった。

A:すごく成熟した考え方。どうやってその境地に至ったの?

T:うーん、分からないし、今も葛藤することはあるけど、みんなそうでしょう? 泣いちゃいそうな時もあるけど、その度に“自分は自分だよ”ってリマインドしてあげるんです。

日常のTylaさんについても教えてください。普段はどんなファッションが好きですか?

T:とにかくリラックスしたい気分の時は、着るものはなんでもいいって感じ。スウェットパンツに、バンドーとかのタイトなトップスをあわせるのが好き。あと、靴を履くのが好きではなくて、裸足でいるかソックスのままでいることも多いです。

メイクに関してはどうですか?

T:普段はコンシーラーにアイライン、マスカラとブラウン系のリップライナーにピンクのグロスを合わせて、ブラシでブロンザーを入れるって感じのメイクかな。わざと少しだけビューティーマーク(ほくろ)を描き足したり、目尻だけアイラッシュを足したりするのも好き。マットな質感よりはフレッシュなツヤ感があるメイクが好きですね。

A:まさにTylaのシグネチャー・ルックっていう感じ。前にニューヨークでヘアメイクしてもらった時、Tylaとも仕事をしたことがあるメイクアップ・アーティストの方に担当してもらったんだけど、その時もあまりパウダリーには仕上げず、ツヤのある感じに仕上げてもらったのを覚えてる。

今後の夢やプランはありますか?

T:これまで考えすぎてしまうこともあったけど、これからはもっと自由に行きたい場所に行きたいし、やりたいことをどんどんやってみたい。ファッションとかヘアスタイル、メイクも好きだし、いろんなことに挑戦してみたいです。あと、演技にもすっごく興味がある! とにかく何でもやってみたいです。

自分が30代、40代になった姿を想像できますか?

T:うーん、先のことすぎて分からないけど、子供は早く欲しいかな。自分で家族を持ちたい。

すでに母親であるAwichさんから何かアドバイスはありますか?

A:アドバイスというか、私の育児スタイルはとにかく正直でいること。子供達って真実を飲み込むのが早いので。私は、娘が3歳の時に夫を亡くしているんですけど、そのことも包み隠さず娘に伝えています。嘘をつかずにありのままを伝えたら、彼女なりに真実を受け止めて咀嚼してくれる。そのおかげで、私たち親子は親友みたいな関係になれたから。

T:素晴らしい親子関係だと思います。

A:子供は本当に美しい方法で真実を伝えてくれるんです。私たちは子供達から学んでいて、子供達の生徒なんだ、と思っています。

最後に、夢に向かって頑張っている子たちにメッセージをいただけますか?

T:自分に対して嘘をつかないで。あなた達のカルチャーはとっても特別でユニークだから、それをしっかり受け止めて自分たちのものにしてほしい。それって、全員が出来ることではないから。あなたたちのカルチャーはあなたたちのもの。恥ずかしがらずに自分のことを誇ってほしい。そうしたら、周りもあなたのことをリスペクトするはずだから。

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この記事は英語からの自動翻訳です。
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