2026年に“ブレイク確実”なチェックすべき音楽アーティスト10組
ソウルフルなシエナ・スパイロから、スカンディ・ポップデュオ Smerzまでを一挙ご紹介
今年は、一気に駆け上がるように音楽シーンでの飛躍を遂げたアーティストが続出。たとえばオリヴィア・ディーン(Olivia Dean)やキャッツアイ(KATSEYE)といった名前は、小さなファンベースから一気に世界的な存在へと上り詰めた代表格だ。『Hypebae』では、すでに(自慢じゃないけれど)2021年の“Artists to Watch リスト”でオリヴィア・ディーンをピックアップ済み。だからこそ、2026年にチェックすべきアーティストの決定版リストをお届けする資格もあるはず。
みんなは2025年の名作たちをまだリピートしているかもしれないけれど、新しいスターを見つけたときの高揚感は決して色あせない。たとえば、シエナ・スパイロ(Sienna Spiro)のように、その圧倒的なボーカルでブレイク目前まで来ている存在から、ドリーミーな新作アルバム『Big City Life』を手掛けた、北欧のポップデュオのSmerzまで。本稿のリストには、カルチャーの最前線を走り続けたいなら、ストリーミングして、フォローして、語り合うべき名前だけをピックアップ。
下記より、フルラインアップをチェックして。
シエナ・スパイロ
Instagram の投稿をチェック
ロンドン出身のシンガーソングライター シエナ・スパイロは、学校のステージから大勢が集うライブ会場まで駆け上がった20歳のアーティスト。2024年5月にリリースしたデビューシングル “Need Me”以来、そのソウルフルな歌声をどこかで耳にしている人も多いはず。今年に入って初のEP『Sink Now, Swim Later』を発表し、そこからさらに大きく飛躍。本アルバムの収録曲 “Die on This Hill”は再生数を一気に伸ばし、UKシングルチャートで9位を獲得。さらに、2026年の「Brits Critics’ Choice Award」の候補にも名を連ねている。映画的なソングライティングと力強いボーカルはアデル(Adele)と比較されるほど。今から目を離さないでいて。
アデラ
Instagram の投稿をチェック
アデラ・イェルゴヴァ(Adéla Jergová)は、かつてのハイパーポップ黄金期を今に呼び戻す存在だ。挑発的なダンスルーティン、大胆なリリック、攻めたビジュアルが、ポップの持つサブバーシブな魅力を思い出させ、次なるポッププリンセスとしての注目が集まっている。そんな彼女は今年デビューEPを出したばかりにもかかわらず、早くもデミ・ロバート(Demi Lovato)の今後のツアーのサポートアクトに大抜擢。そのキャッチーな楽曲は、頭から離れない。スロバキア出身の彼女は、当初キャッツアイのオーディションで落選したものの、そのおかげで今やソロのスーパースターに。彼女の音楽は“sex sells(セックスは売れる)”というモットーを文字どおり体現しており、“Sex on the Beat”では、オーガズムを思わせる表現で話題を呼んだMVも制作している。トレードマークのピンクヘアと、ファーストネームのみの名義で活動するスタイルも相まって、そのスター性はすでに揺るぎないものに。
アジヤ
Instagram の投稿をチェック
アジヤ(Aziya)は、ロンドン発の新鋭オルタナロックスター。25歳の彼女はロックダウン中、SNSに投稿した動画やベッドルームからの『TikTok(ティックトック)』ライブ配信を通じて、その才能を披露しながらファンベースを拡大してきた。インスピレーション源は、デボラ・ハリー
(Debbie Harry)やプリンス(Prince)といったレジェンドたち。そんなルーツを持ちながらも、オルタナポップとインディーロックをミックスした独自のサウンドを生み出し、自らを“Rockstar baby”と名乗っている。オルタナロックの世界では女性が歴史的に陽の目を浴びず、ロールモデルも少なかったことはよく知られているけれど、今まさにアジヤがその状況を塗り替えつつある。
チェルシー・ジョーダン
Instagram の投稿をチェック
チェルシー・ジョーダン(Chelsea Jordan)は、柔らかくソウルフルな声と、20代ならではの大人への移行期やハートブレイクを綴ったリリックで支持されるアメリカ人シンガーソングライター。最新のヒット曲 “halfwaythru”は、2作目のEP『Level Out』に収録されており、“I love a cheeky glass of wine and a cigarette.”という一節に象徴されるように、肩の力が抜けたリアルな言葉でリスナーの心を掴んで離さない。彼女が歌う、等身大のストーリーテリングは好きにならずにはいられないはず。彼女がスターになるのは時間の問題、とここで宣言しておきたい。
ゲイル
Instagram の投稿をチェック
プエルトリコ出身のシンガーソングライター ゲイル(Gale)は、ジャンルや境界線を意識することなく、とにかく自分ごととしての音楽を生み出したいと語る、クラシック畑のシンガー。まずはソングライターとして音楽業界に入り、シャキーラ(Shakira)、クリスティーナ・アギレラ
(Christina Aguilera)、アニッタ(Anitta)といったアーティストたちと共演を重ねたのち、自身のレコード契約を勝ち取った。2作目のアルバム『Lo Que Puede Pasar』は今年10月にリリースされ、シンセポップ、レゲトンのダンスビート、ギター主体のロックの境界線を軽々と飛び越える内容に。2026年も踊りながら駆け抜けたいなら、プレイリストにゲイルの名前はマストで入れて。
Smerz
Instagram の投稿をチェック
Smerz(スメーツ)は、これからあらゆる場所でその名前を見かけることになりそう。実験精神あふれるノルウェーのデュオである彼女たち(カタリーナ・ストルテンベルグとヘンリエッテ・モッツフェルト)は、他に類を見ない手法でシティライフの幻想を描き出す。散らかった夜、ベタつくバー、見知らぬ人とのキス、終わらない高揚感──そんなヤング・アーバン・ウーマンのリアルが、2枚目のスタジオアルバム『Big City Life』に完璧な形で封じ込められている。エレクトロポップがクールな憂鬱の世界へと連れていく彼女たちの音像は、一度ハマると抜け出せない魅力があるみたい。
レイヴン・レネイ
Instagram の投稿をチェック
シーンでは決して新人とは言えない存在だが、レイヴン・レネイ(Ravyn Lenae)は、来年こそスターダムに上がる準備は万端だ。昨年12月、彼女は自身の楽曲 “Love Me Not”に合わせて撮影した『TikTok』に「2025年には彼を連れて行かないから、最後にもう一度だけ会った後の私」というキャプションを添えて投稿。キュートで皮肉っぽいこの“お別れポスト”とキャッチーな歌声のコンビネーションに、私たちは完全にノックアウトされた。今年、その楽曲は『Billboard(ビルボード)』のシングルチャート “Hot 100”に初ランクインし、その後はサブリナ・カーペーター(Sabrina Carpenter)のツアー “Short n’ Sweet”のオープニングアクトも務めた。浮遊感のあるボーカルが魅力のオルタナR&Bサウンドは、聴く者をトランス状態に連れていくような心地よさだ。これからの展開が待ちきれない。
フランス出身のシンガー オクル(Oklou)は、クラシックで培ったバックグラウンドを天使のような声と独自のエレクトロニックサウンドに落とし込み、唯一無二の世界観を築く存在だ。今年の初めには、初の正式なアルバムとなる全13曲入りの作品『Choke Enough』をリリースし、高い評価を獲得している。とはいえ、オクル自体は決して新参ではなく、これまでにもA・G・クック(A.G. Cook)やシャイガール(Shygirl)とコラボしたり、キャロライン・ポラチェック(Caroline Polachek)やフルーム(Flume)のツアーに帯同したりと、以前からシーンの要注目株だった。ただ、その熱狂ぶりが本格的に表面化したのは今年に入ってから。異色のレイヤーとテクスチャーがきらめきながら重なりあうサウンドは、クラシックの素養とも相まって、現代音楽のタペストリーのような美しさを称えている。その後リリースされたデラックス版には、コラボレーションシングルとしてFKA ツイッグス(FKA Twigs)との共演曲も収録。このブレイクを機に、オクルへの熱量はまだまだ高まり続けそうだ。
クロエ・キシャ(Chloe Qisha)は、オルタナポップ界のライジングスター。マレーシア生まれで、現在はUKを拠点に活動する彼女は、長年幸せなパートナーシップを続けているにもかかわらず、胸の痛みや切なさを驚くほど精緻に言語化する。友人たちのエピソードからインスピレーションを得て、聴く人の“内なるティーン”を慰めつつ、前へ進ませてくれるような感情のリアリティを歌に落とし込んでいる。シネマティックなシンセに包まれ、クールガールなカリスマ性をまとった楽曲は、スケール感もエモーションも十分。いつ大舞台に躍り出てもおかしくない。
Geese(ギース)は、どこか昔の時代を思わせるニューヨーク流のクールさを体現するバンド。ブルックリン拠点の彼らは、メディアから「Z世代初の本格的ロックバンド」と評されるような、ある種のロックサウンドを再び息づかせている。最新アルバム『Getting Killed』はこの夏を代表するスリリングな1枚となり、ライブ会場の外には何百人ものファンが列を作った。「ついに“本物のロックバンド”をタイムスリップして見に来たような感覚」とまで語る人もいるほどだ。もちろんそれは主観的な評価ではあるけれど、荒削りなエネルギーとポエティックなリリシズムが、1990年代ロックを聴き返すだけでは掬いきれない“今”の若者の感情を代弁しているのは確か。ボーカル兼フロントマンのキャメロン・ウィンター(Cameron Winter)、ギタリストのエミリー・グリーン(Emily Green)、ベーシストのドミニク・ディジェス(Dom DiGesu)、ドラマーのマックス・バシン(Max Bassin)から成る彼らのことは、今のうちにチェックしておきたい。
オクル
クロエ・キシャ
ギース



















