MIU MIU 2026年秋冬コレクション
「自分自身の身体、自分という存在や価値を、自らのものとして引き受けること」についてを表現
パリ・ファッション・ウィークで発表された、“Mindful Intimacy(マインドフルな親密さ)”を祝福する〈MIU MIU(ミュウミュウ)〉の2026年秋冬シーズンのショーは、広大な世界の中に存在する人間の身体を見つめ直す試みに。今季のコレクションは「自分自身の身体、自分という存在や価値を、自らのものとして引き受けること」についてだと、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)はショーノートの中で語る。「私たちの身体、心、そして自分自身にきちんと目を向けること。そのためにこそ意識を注ぐべきだと考えています」。
今季は、『Palais d’Iéna』の壮麗なホールを、一面の芝生が広がるステージへと変貌させた。カルチャーを牽引し続ける“モダンガール像”のビジョンは揺るぐことなく、同時に文字通り“地に足のついた世界”へと引き寄せてみせた。フロントロウにはリトル・シムズ(Little Simz)やTyla(タイラ)らが来場し、今回もそのキャスティングは見事のひと言。ランウェイには多彩な才能が顔をそろえ、ジリアン・アンダーソン(Gillian Anderson)、Yeonjun(ヨンジュン)、クリステン・マクメナミー(Kristen McMenamy)、 ソフィア・イセラ(Sofia Isella)、クロエ・セヴィニー(Chloë Sevigny)らが登場。特にクロエは、同ブランドのランウェイに初めて立ってから数十年ぶりのカムバックとなった。
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モデルたちが歩いたのは、宮殿の中に野生の森を出現させたようなセット。2つの風景を重ねることで、人間の経験がいかにスケールの大きなものかを可視化している。コレクションの核をなすのは、機能性を備えたテクニカルなディテールで、身体を包み込むような服作りにフォーカス。マテリアルは、コットンポプリンやリボンボウの甘さと、シアリング付きツイードやレザーの重厚感とをバランスよく共存させた。何よりも柔らかさを優先したピースは、肌の上にただ“乗る”のではなく、身体そのものを支えてくれる。〈MIU MIU〉にとって重要なのは、洗いをかけた生地がもたらす馴染み感と、着慣れたようなリアルな官能性だ。
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ロマンティックで情緒的な余韻を優先したウェアに対し、フットウェアは一転して輪郭のくっきりとしたコンストラクテッドなシルエットへ舵を切る。今季は華奢なフラットシューズから離れ、より強くインダストリアルなムードを足もとで支えることで、“MIU MIUウーマン”の個性をいっそう際立たせた。例えば、ニュートラルカラーのミュールや、ブランドのシグネチャーであるバブルソールにクリスタルをあしらった新作スニーカーなどがラインアップ。さらに、武骨さを備えた背の高いユーズド風ブーツも登場し、芝生が広がるセットの中を力強く行進するのにふさわしい1足に仕上がっていた。
















