ルチア・ピカが語る BYREDO 新作パレット “VESUVIO” の心地よい使い方 | Interviews
「まずは小さく始めること。すべてを一度にやろうとしなくていいのです。惹かれる色や質感をひとつ選ぶだけでいい」
〈BYREDO(バイレード)〉が、クリエイティブ・イメージ&メイクアップ・パートナーであるルチア・ピカ(Lucia Pica)の手掛ける18色入り限定アイシャドウパレット “VESUVIO(ヴェスヴィオ)”を2月12日(木)に発売した。
本作は、19世紀のナポリ派絵画に着想。穏やかな地中海の風景からヴェスヴィオ火山の噴火の瞬間までを、ひとつのパレットの中に描き出している。崇高と日常、静けさと激しさ──相反する要素が共存する二面性が、このパレットの核だ。18色のシェードは、ナポリ出身であるルチア自身の記憶と感情、そして画家たちのパレットを表現している。また、ミラー付きのシグネチャーケースには、ヴェスヴィオ山をモダンかつ抽象的に再解釈したグラフィックをオン。
気になるシェードは、ライラックやウォータリーグリーン、スモーキーブルー、ペールイエロー、ソフトピンクといった穏やかなパステルカラーに、煌めくグレーやオフブラウン、続いてマグマオレンジ、ヴォルカニックピンク、パープル、バーントアンバー、カッパー、ブロンズといった火山を思わせるミネラルカラーへと展開。テクスチャーは、クリーミーでなめらか、そして軽やかで、最大12時間の持続を実現。重ねやすく、ブレンドしやすい高発色の処方で、ブラシでも指先でもヨレない仕上がりに。
今回『Hypebae Japan』では、“VESUVIO”のリリースを記念したルチア・ピカへのメールインタビューが実現。19世紀のナポリ派絵画に着想を得た理由や、それをアイパレットに落とし込んだプロセスから、お気に入りのカラー、読者へおすすめのパレットの使い方までをQ&A形式で伺った。ユニークで心躍るようなルチアの言葉の数々を、ぜひ最後まで楽しんで。
Hypebae Japan:今回、VESUVIOは19世紀ナポリ派絵画にインスピレーションを得たとのことですが、芸術とビューティーの分野において直感的にどんな繋がりを感じこのテーマを選んだのでしょうか?
ルチア・ピカ:アートと美はどちらも感情から生まれます。私にとって、それらは同じ内面世界を表現するふたつの方法です。ナポリ派の絵画を見たとき、私は深い共鳴のようなものを感じました。光、色彩、静寂と噴出のあいだにある緊張感──それらは故郷や記憶、言葉にできない感情を思い起こさせました。画家たちは単に風景を描いていたのではなく、もっと親密な何かを翻訳していたのです。それは私がメイクアップで常に目指していることでもあります。このつながりは自然に生まれたもので、計画したものではありません。感じたのです。
このパレットでは、穏やかな地中海の風景や火山の噴火の瞬間が描かれていますよね。そういった中で、VESUVIOと名付けた理由を教えてください。
ヴェスヴィオは私の故郷です。私の人生であり、想像力の一部でもあります。それは単なる山ではなく、“存在”なのです。ときに眠り、時に脅威となりながら、常に美しい。“VESUVIO”と名付けることは必然でした。静けさ、ドラマ、強さ、そして突然何かへと変わる静かな瞬間──表現したかったすべてがそこに込められています。この名前は歴史と感情を内包しています。場所であると同時に、感覚そのものなのです。
付け心地やテクスチャーについて、こだわった点を教えてください。
テクスチャーは、肌に寄り添うような親密さを持たせたかったのです。やわらかく、ブレンドしやすく、光を含みながらも決して重くない。まるで自分の一部になったかのように、つけていることを忘れてしまうような質感です。色は顔の上に“乗る”のではなく、溶け込み、呼吸し、その瞬間を引き立てるべきだと考えています。そのような感覚的な心地よさは、常に私の仕事の中心にあります。色だけでなく、纏ったときの感覚が重要なのです。
Hypebae Japanの読者に向けて、とある3つのシーンでルチアさんのおすすめの色の重ね方や使い方を教えていただけますか。
──親しい友人と夜遊びへ
友人との夜には、パレットの大胆さを楽しみます。まずボルケーノピンクをまぶた全体にのせ、マグマオレンジを重ね、中央にコッパーのシマーを押し込むように。光がテクスチャーと遊ぶように仕上げます。ブルーのアイライナーで緊張感を加えるのも素敵です。
──恋人との特別な記念日ディナー
ロマンティックなディナーには、もっとやわらかく。ライラックやペールイエローをヴェールのようにまとい、まつ毛の際にアンバーをほんのりとぼかします。秘密を共有するような、親密な雰囲気を大切に。
──あちこちへ顔を出さなければいけない忙しい仕事の日
忙しいワークデーには、直感的に。1色を指でさっとのせるだけ。スモーキーブルーや落ち着いたブラウンで、さりげなくも芯のある印象に。エフォートレスでありながら、気持ちを整えてくれる色選びを。
18色の中で、ルチアさんが特に気に入っている色があれば教えてください。それはどんな色ですか?
くすんだローズトーンが特に好きです。まるで大地と記憶が混ざり合ったような色。強く主張するわけではありませんが、静かな力を宿しています。火のあとの灰のように、変化を経てもなお温もりを残している。とても繊細なロマンティシズムを感じます。私はいつも、物語を内包した色に惹かれるのです。
今回はケースのデザインも特に印象的です。このデザインは、どのようなプロセスを経て完成したのですか?
ケースは単なるパッケージではなく、“オブジェ”のように感じられるものにしたかったのです。手に取り、持ち続けたくなる存在。ヴェスヴィオのフォルムを抽象化し、グラフィックでカラフルな、彫刻のようなレインボー火山として表現しました。手にすると重みがあり、まるで記念品のよう。開ける前からすでになにかを語りかける体験にしたかったのです。モダンでありながら、時を経ても色褪せない──長くドレッサーに置かれてもなお、生き続けるような存在を目指しました。
鮮やかなアイカラーは、「普段使いには少しハードルが高いのかも……」という不安もあります。特別な予定のない日のメイクにも馴染ませるための使い方を提案するならば?
まずは小さく始めること。すべてを一度にやろうとしなくていいのです。惹かれる色や質感をひとつ選ぶだけでいい。まぶたにグリーンをひと塗り、指先でやわらかなシマーを軽くのせる。テクニックよりも直感が大切です。心地よいと感じれば、それは美しく見えます。ルックを作ろうとする必要はありません。ただひとつの“瞬間”を作ること。それが美しさなのです。
BYREDO アイシャドウパレット VESUVIO
発売日:2月12日(木)
価格:17,424円(税込)
取扱店舗:BYREDO直営店および公式オンラインストアにて販売中



















